第一章 緑衣の騎士への招待状

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 ふるふると繰り返し首を振り、肩を回して雑念に抵抗するメルだった。  だが、メルの不信感は膨れ上がるばかり。  まとわりつくクモの巣のようなもやもや感を拭い切れず、メルは深いため息とともに作業台の上に突っ伏した。  と、その拍子に、封筒をつまんだ右手が、古代の粘土板を作業台からどん、と突き飛ばした。  その手に伝わった不吉な感覚に、我に返ったメルが小さく叫ぶ。 「あっ! いけないっ!!」
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