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引き締まった長身を緑の服に押し包み、一振りのサーベルを腰に吊っている。
凛と整った、端麗で飄々とした風貌に、群青の清涼な瞳。
こげ茶色のさらさらの髪は、程よく清潔に刈られている。
この大陸でも“緑衣の騎士”として名の知れたローサイト卿、ネウィル=ブラン=ローサイトだ。
従兄でもある彼の姿を見るなり、胸がばくばくと騒ぎ出す。
少女は高鳴る胸をそっと押さえた。
ぽうっと上気した目線で、彼女は騎士ネウィルの顔を追う。
しかし、当のネウィルの疑いの眼差しは、もう一人の男を捉えている。
すらりとした体に、ぴっちりとした黄土色の衣装をまとった若者。
両肩と腰回りが膨らんだ、道化師とか楽人が着るような、身軽な衣装だ。
年齢は少女よりも年上だが、ネウィルよりはだいぶ下だろう。
風貌としては、どこか可愛いらしさの覗きつつも、芯の通っていそうな、強気なハンサムだ。
だが、その整った顔は黒檀のような、漆黒に近い褐色。
切れ長の目に、黄色の瞳が悪戯な光を放っている。
髪も天然の黄色らしく、こんな人種を見るのは彼女も初めてだ。
状況が飲み込めず、ただ立ち尽くすばかりの少女。
そんな彼女を前に、漆黒の若者に何か言おうとしたネウィルだった。
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