第一章 緑衣の騎士への招待状

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 引き締まった長身を緑の服に押し包み、一振りのサーベルを腰に吊っている。  凛と整った、端麗で飄々とした風貌に、群青の清涼な瞳。  こげ茶色のさらさらの髪は、程よく清潔に刈られている。  この大陸でも“緑衣の騎士”として名の知れたローサイト卿、ネウィル=ブラン=ローサイトだ。  従兄でもある彼の姿を見るなり、胸がばくばくと騒ぎ出す。  少女は高鳴る胸をそっと押さえた。  ぽうっと上気した目線で、彼女は騎士ネウィルの顔を追う。  しかし、当のネウィルの疑いの眼差しは、もう一人の男を捉えている。  すらりとした体に、ぴっちりとした黄土色の衣装をまとった若者。  両肩と腰回りが膨らんだ、道化師とか楽人が着るような、身軽な衣装だ。    年齢は少女よりも年上だが、ネウィルよりはだいぶ下だろう。  風貌としては、どこか可愛いらしさの覗きつつも、芯の通っていそうな、強気なハンサムだ。  だが、その整った顔は黒檀のような、漆黒に近い褐色。  切れ長の目に、黄色の瞳が悪戯な光を放っている。  髪も天然の黄色らしく、こんな人種を見るのは彼女も初めてだ。  状況が飲み込めず、ただ立ち尽くすばかりの少女。  そんな彼女を前に、漆黒の若者に何か言おうとしたネウィルだった。     
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