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でもすぐに思い直して再びかけ直し「理だけど、すぐに連絡下さい」と留守番電話に吹き込んだ。
まさか、違うよな……。
焦燥する気持ちを落ち着けようと残っていたビールを一気に飲み干した。
が、目の前にあるテントウムシのキーホルダーが目に入り、すぐにそれを後悔した。
「バカか僕は……」
これでもう車で二人を探しに行くことはできなくなってしまった。
ダメだ、完全に動揺してしまっている。
一旦落ち着こう。
目を閉じて、深呼吸をした。
きっと違う。
世の中に若い女性は数えきれない程いるんだ。
よりによって明里さんが事件に巻き込まれるなんて、交通事故に遭う確率よりもずっとずっと低いはずだ。
あっ、もしかして交通事故に遭ったとか?
いや、事故に遭ってしまったのなら、必ず連絡をしてくるはずだ。
事故に遭って連絡が取れない状態になったとか?
意識を失っているとか?
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