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「あっ、あの……。申し込んどいて、なんなのですが、彼氏、いるんですよね?」
そうなのだ、この子には救急隊の……。
「大丈夫です、もう別れましたから」
えーっつ、マジか?!
思わず僕は「ウォー」と叫んでしまい、下ろした両手を再び上げて「やったー」と全力で飛び跳ねた。
「ニャッ」
僕の飛び跳ねる振動と声に驚いたのか、子猫が目を覚ました。
「あぁ、よかったぁ」
「ホントに……」
だが、喜んだのもつかの間。
僕が騒いだせいで守衛さんがやって来て、二人はこっぴどく怒られてしまい、後日、始末書を提出するはめになってしまった。
その後、「空き缶から生まれたんだから、絶対にカンコ!」と、明里さんに驚くほどダサい名前をつけられてしまったカンコの世話をするために、という名目で一緒に住むことになり、すぐに陽菜を授かって、お腹が大きくなるまでにと、僕たちは早々に結婚をしたんだ。
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