167人が本棚に入れています
本棚に追加
/258ページ
小林さんと明里さんは看護学校からの友達で、今も僕達と同じ恵賛会病院に勤めている。
その上、一人息子の颯太君と、うちの陽菜が同じ帝塚山保育園に通園していので、家族ぐるみの付き合いが続いている。
もしかすると、陽菜と一緒に小林さんのマンションに行って遊んでいるのかもしれない。
電話は数回の呼び出し音の後、留守番電話に切り替わった。
僕は自分に平静を言い聞かせて「上武です。明里さんと連絡が取れないので、これを聞かれたら僕のスマートフォンにお電話をお願いします」と吹き込んだ。
小林さんのスマートフォンは一旦呼出音が鳴った。
と言う事は小林さんのスマートフォンには電波が届いている。
もし二人が一緒にいるのだとしたら電波の届かないところというわけではなさそうだ。
やはり明里さんのスマートフォンは充電が切れているのか。
でも明里さんは毎晩欠かさずに充電をしているし、ゲームもネット検索もほとんどしないから充電が無くなったという話を今まで聞いたことがない。
機種変更をしたところだから、故障やバッテリーの不具合も考えにくい。
いやまてよ、電波状況は会社によって違うから一概には言えないか。
最初のコメントを投稿しよう!