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午前一時を過ぎた。
これはもう誰かと話し込んでいるとかいうレベルの話ではなく、いくら考えてみても楽観的な予測をする事ができない。
だが僕の頭は、事件や事故の可能性を肯定する事は拒否し、「But」から考え始める。
「いや、そんなはずはない、連続事件に巻き込まれる確率はとても低いのだから。じゃあ事故に」
「いや、そんなはずない。事故に遭ったのなら、さすがにもう連絡がきているはずだ。いや、だから人に見つからないところで事故に」
「いや、そういう場所は見当たらない。だったら、やっぱり家出をして、男のところに……」
「いや、そんな事は明里さんと出会ってからの五年間を振り返ってみても絶対にありえない」
だが、どれも完全に否定することはできず、だからこそ、考えても考えても、今このありえない状況が僕にはとても耐えられないのだ。
そして僕の頭は「If」を考え始める。
もしも陽菜に何かあったら。
もしも明里さんの身に何かあったら。もしも、二人が僕の元から出て行ってしまったら。
もしも、二人に二度と会えなくなってしまったら……。

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