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新世界3 砂漠編
ジャングル地帯を歩き続けると、突然視界が一気に開けた。
「うわー、まるで砂の海みたいだー」僕は思わず叫んだ。
目の前には、見渡す限りの黄色い砂漠が何処までも続いている。それはまるで波にうねる大海原を描いた絵画のようだった。所々にポツポツとある岩やサボテンが、まるで大海原の波に浮かぶ小舟の様に見えた。
「へへっ驚いたろう、これがガンバリパークのガンバリ砂漠さ」ブラカスちゃんが誇らしげに言った。
「僕、砂漠って初めて見たのかも知れない」
記憶喪失の僕だったが、この胸に溢れる新鮮な感動は、きっとこれが人生で初めての経験であるに違いないと思われた。
「よし、あの丘陵のてっぺんにある、あの動物の頭蓋骨まで競争しようぜ」ブラカスちゃんは僕の感動が伝染したのか、はしゃいで砂漠に突っ込んでいく。
「あ、ズルいぞ」僕もブラカスちゃんの後を追いかけて一緒に走った。
「私も頑張りますよー」エメドラちゃんも僕らの後ろから追いかけて走ってきた。
『わーーーーーーい』
僕らは砂場に放たれた子供のように、ハイテンションで砂漠を走った。
「ハアハア、ゲホゲホ」
「ゼーゼー」
「ヒーヒー」
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