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僕らはようやく動物の頭蓋骨まで走りきった。頭蓋骨は近くで見るととてつもなく大きい事が分かった。それだけ沢山走ったわけだ。頭蓋骨の大きさは頭だけで人一人分はあった。角を生やした牛に似た動物の頭蓋骨みたいだ。僕らは疲れ切っていて、かけっこの順位はもう頭にもなかった。そのまま地面にへたり込む。
「ハアハア・・・・・・」
「ゼーゼー・・・・・・」
「ヒーヒー・・・・・・」
「ハアハア・・・・・・砂漠って、けっこう走るの大変だったんだね、ハアハア」僕は靴に入った砂を落としながら言った。
「ゼーゼー、そう言えば砂漠の中を走ったの、オレ初めてだったぜ、ゼーゼー」ブラカスちゃんが真っ青な顔で答えた。
「ヒーヒー、私もう走るのはいやですー、えい!」
エメドラちゃんがステッキを取り出してブンと一振りすると、体がパッと輝いてフワリと地面から浮き上がった。
「おお、オレも」
ブラカスちゃんも羽をバタバタさせて浮き上がる。
「あ、二人ともズルい、ハアハア」僕は浮き上がった二人に文句を言った。
「ごめんごめん、砂漠を歩くのがこんなに大変だと思わなかった。いつもは砂漠は飛んでいくから」ブラカスちゃんが言った。
「でもどうしましょう、このまま便器ちゃんだけ歩かせて砂漠を渡れるかしら?」エメドラちゃんが言った。
僕は登ってきた丘陵から辺りを見渡した。見渡す限り砂漠ばかり。どの方向も全く同じに見える。
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