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「・・・・・・それじゃあ僕が、歩いて砂漠を渡るのはとても無理そうだね。いったんジャングル地帯まで引き返そう」
僕は丘陵から自分の走ってきた方向を眺めてみた。しかしジャングルはすでに影も形も見えなくなっていた。
「あれ、ジャングルが消えてしまった。なんでだろう」
僕は方向を間違えたと思って辺りを見渡したがジャングルは影も形も見えない。
「地形が風で変わってしまったんだよ。僕らが目標にしていた骨のある丘陵は、オレたちが目指している間にも少しずつ遠ざかっていて、その間に丘陵とジャングルの間に新しい丘陵が出現したに違いないね。その影になってジャングルが見えなくなったんだ。砂漠の地形は目まぐるしく変わるから、こんな風に迷って出られなくなって死んでしまうこともあるんだ。きっとこの牛の頭蓋骨も迷った牛さ」ブラカスちゃんはシラッと怖いことを言った。
「それにしても熱いな。オレもう汗ダラダラで干からびそうだよ。ブラックカオスドラゴンは汗を掻くと弱ってしまうんだ。オレ、先にひとっ飛びしてジャングルに戻っててもいいかい」ブラカスちゃんは言った。
「私もー熱いのはちょっと苦手かも~。グリーンエメラルドドラゴンは暑いと寿命が縮んでしまうズルンズなの~」エメドラちゃんはそう言いながら、もう上昇を始めていた。
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