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3話 若鷺腕相撲協会!!
俺が部長に追いついたのは若鷺腕相撲協会の正門の前だった。
「部長!!!」
「な?!どうしてお前がこんところに!」
部長は驚いていたが、でもそんなことに関わらず俺は怒鳴り散らしていた。
「どうしてじゃありません!なんで一人で行ってしまうんですか!……なんで…なんで!俺がそんな頼りないのか!」
俺は敬語も忘れて部長に向かって叫んだ!
「お前はそんなに僕のこを?はは……僕はこんなに素晴らしい仲間がいるのになんで頼らなかったのかな」
「部長……」
「ありがとう。そうだな、付いてきてくれ!」
「はっ、……はい!部長」
そうして俺と部長は若鷺腕相撲協会の中に入って行った。
ーーーーーーーー
数分の交渉でなんとか協会長に会わせてもらえることになった。
俺は、最初は意気揚々だったものの協会長室の前に立った瞬間、冷や汗が出た。
本当に大丈夫なのかと不安に襲われた。
「部長、話は聞いてもらえますかね」
俺は不安で不安でつい部長に話さずにはいられなかった。
「ふっ、聞いてもらうんじゃない…聞かせるんだ!」
そんな部長の言葉を聞いて俺の不安は一気に消えた。そうだ俺たちは部室を取り戻すためにここまできたんだ。こんなところで怖気ついてどうするんだ俺!
俺は自分に喝をいれて会長室に入った。
そこには協会長こと若鷺源蔵がいた。もう今年で63歳になるというのにすごい威圧だ。これが腕相撲協会支部のトップに立つ男だということを改めて実感した。
でも威圧だけでビビってちゃダメだ。まず話をしないと。
「本日は、面会に応じて頂きありがとうございます」
「ふん、長い前置きはいい。それより中学生のガキどもがこの儂になんの用だ」
俺は驚いた。確か若鷺源蔵は今年で63歳になると言うのに体は筋肉隆々で顔もしわこそ多いがガッシリしていた。おそらく若い頃はイケメンだったのではないだろうか。
俺がそんなことを考えていると部長は、
「はい、今回面会を求めたのはわたし達、赤城中学校美術部が腕相撲部によって無くなってしまったのです。また、その腕相撲部の方々がこの若鷺腕相撲協会に所属していると知りそれについて話しにきました」
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