12人が本棚に入れています
本棚に追加
7話 部長の決意
俺だって辛かった。……その時、若鷺源蔵が動いた。
若鷺源蔵は部長の顎を掴んで言った。
「儂を見ろ」
威圧をかけて言った若鷺源蔵の声だったが今の部長には聞こえない。そしたら若鷺源蔵は深い皺を更に深めて
「儂を見ろっ!!!」
突然の若鷺源蔵の怒声に俺たち2人は静まっていた。
若鷺源蔵の言葉はまだ続く。
「お前はたかが1回負けただけで諦めてしまうような男なのか」
その言葉に部長はハッとして
「いや違う!僕は本当に部室を取り戻したくてここまで来たんだ!」
落ち着きを取り戻した部長ははっきりと自分の思いを若鷺源蔵にぶつけた。
部長と若鷺源蔵は数秒見つめ合うとなにか分かったのか若鷺源蔵は言った。
「ふっ、いいだろう」
俺は最初その「いいだろう」の意味が分からなかった。だけど部長は何かわかったのか俺に。
「僕は若鷺会長と一対一で話してみたい、悪いが今日は帰ってくれないか」
「えっ?!」
俺は驚いたけど部長にはなにか考えがあると思い迷ったすえに頷いた。
ガチャ!
会長室から出た俺はまだ迷っていた。でも、とにかく部長を信じようと思った。
外に出るともうあたりは日が沈みかけてオレンジ色に包まれていた。俺は家に帰る途中も心配で心配で仕方がなかった……。
家に着くと母さんは心配していたようだったが俺は夕飯も食べずに自室にいきベットに身体を預けた。
俺の心配はまだ続いていたがやがて緊張から開放された疲れが来て眠りについた。
ーー朝ーーー
俺は朝起きて着替えて朝食を食べようと1階に行こうとしたら………。
プルルルル
俺の携帯が鳴った。
最初のコメントを投稿しよう!