忘れられない誕生日

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忘れられない誕生日

 明日、私は誕生日を迎える。13歳になれば大人だと認めてもらえるはずだ。  とっても寒いこの町で生まれ育った女の子は、こんなにも大人になりました。一生懸命に頑張った勉強も今日で終わり。だって、明日からはまったく別の人生が待っているもの。  スキップをしたいところだけれど、つるつるの氷で覆われた地面がそれを許さない。それでも、これから彼氏に会いに行く私にはそんなのたいしたことじゃない。  今でも忘れない、3ヶ月前のこと。屋根の雪下ろしをするおじさんが、お弟子さんとして連れてきたのが彼だった。13歳になったばかりの彼は大人びて素敵で、きっと運命の相手だとすぐにわかったの。
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