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「もう赤ん坊じゃないんだから、花柄のパジャマは着るな!」
って言われたとき近所中に聞こえてて、すっごく恥ずかしかったんだから(近くのガキにはからかわれたし……)。
で、私が反論しようとしたその瞬間には部屋をでていっている。
私はさらにため息をついて台所にいった。
表から聞こえるドンドンという師匠が雷を起こすために鳴らしている太鼓の音に耳をふさぎつつ、冷蔵庫を確認。
ほとんど何も残っていなかった。
このぶんじゃ買い出しにいかなくちゃだめね。
師匠に
「買い出しに行ってきます!」
と大声で伝える。
太鼓の音が歯切れよく聞こえてきた。
私は師匠が『暗号スパイ・続』の大ファンだったことを思い出す。
放送時間にはテレビにはりついてるのよね……。
まあ、それはともかく。
私は本棚から分厚い「暗号表」をとりだした。
マ行、マ行……。
数分が過ぎたころ、ようやく「モールス信号」にたどりつく。
えーと、さっきの太鼓のリズムは……。
「わ」「か」「っ」「た」「す」「ぐ」「い」け」
「わかった、すぐ行け」か。
私は買い物かごをとりだした。
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