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帰宅
家に帰ってみると、家のまわりを柱みたいな雷がとりかこんでいた。
次から次へとゴロゴロ音を立てながら雷が落ちてくる。
師匠は起こった時やイライラしたとき、ストレス発散などで家の周りに雷を落とすのだ。
今回の雷がいつもより数倍大きいところから見て、師匠、かなりいらだってるわね。
雷にあたらないよう気を付けながらなんとか玄関にもどった私は、なるべく刺激しないほうがいいと判断。
そーっと中に入ると……。
「さくらこーーーーっっ!!!」
師匠の怒鳴り声が飛んできた。
わっ、びっくりした!
「買い物に一体何時間かかってるんだ!」
「え?」
時計をみるとすでに三時間が経過していた。
記憶をまきもどした私は、別れ際摩初とおしゃべりしていたことに原因があると考える。
「なにが『え?』だ!」
ちゃぶ台をひっくりかえす師匠。
わざわざ部屋にあったちゃぶ台を廊下まで運んでいた師匠に、私は感心すると同時に心の中で拍手を送った。
掃除するときいつももちあげてるからわかるけど、このちゃぶ台すごく重いのよ。
私をしかるためだけにもちあげて持ってきたなんて、すごすぎ。
っと、感心してる場合じゃなかった。
とりあえずあやまっておかなきゃ。
「ごめんなさい!」
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