理想

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常に陰鬱な、低く暗い雲が頭上を覆い尽くす、灰色の人生を歩まなくてはならない人種というのが確実に世の中には存在していて。 何をかくそう、私がその一人なのだ。 どんなに努力しても報われる事はない。 良かれと思って起こした行動は全て裏目に出てしまう。 いわゆる空回り、悪循環の法則。 それ故に周りに誤解され、嫌われ、疎まれ、当然、真の友情や愛情など育むことなどできず、孤独に生きる事を強いられる。 なぜ自分ばかりがこんな目に遭わなくてはならないのだろうかと、とてつもなく理不尽に思うけれど。 私なんかとは比べものにならないくらい身勝手で強欲で傲慢でずる賢い輩は周りにごまんといて、真っ先に迫害されるべきであるのに、そういう奴こそがこれでもかとばかりにバラ色の人生を謳歌していたりする。 ……まぁ、突き抜けた恥知らずだからこそ、悩むことなく図太く、この世の中を渡って行けるのだろうけど。 しかし私にはそれができない。 大いに開き直る事も、この上なく無神経になることも。 だから今日も相変わらず、私はモヤモヤと淀んだ曇天の1日を、やり過ごさなければならないのであった。
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