現実

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「とても厳しい時もあるけど、それは相手の為を思って言ってくれてるんだなって事はきちんと伝わって来ますし、同じ内容でいついつまでもしつこく責めるような真似はしないですもんね」 「だから私達、本丸さんの事すごく尊敬してるし大好きなんですよ」 「そうですか」 「彼女の為にも、副社長には早く回復して欲しいな」 「まだ目を覚ましていないんですよね?」 「ええ」 「本丸さんもショックで倒れちゃって寝込んでるみたいだし」 「お似合いの二人だもんね。ぜひ幸せになってもらいたいよ」 「お二人は恋人同士なんですか?」 そのような情報はまだ把握できていなかったので、部下は少し意外そうに問いかけた。 「あ、いえ。現時点では違います」 「副社長は職権濫用して強引に女性に迫るようなタイプじゃないですし、本丸さんも慎ましくて奥ゆかしい人ですから。なかなか進展しなかったんですよ」 「でも、お互いに惹かれあってるんだろうなっていうのは間近で接していた私達にはバレバレでしたよ」 「付き合うのは時間の問題だよねって皆で話してたんです」 「だけど今回こんな事になっちゃって…」 そこで二人は表情を曇らせた。 「ホントにヒドイ。絶対に許せないですよ」 「刑事さん。ちゃんとすべてを明らかにして、あのおばさんにきっちり罪を償わせて下さいね!」 そして怒りを顕にした表情と声音で、私達にそう訴えかけて来たのだった。
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