秋田犬 信号との闘い

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秋田犬 信号との闘い

犬くんくんの旅 〈秋田犬 信号との闘い〉  流れ流れて犬くんくん。お犬を見たらロックオン。  これはとんだ犬好きさんと行きずりのお犬たちとの愛の成長物語である。  信号待ちをしている秋田犬をつれたおじさまを発見。 「信号が変わるまでが勝負だ!」  信号待ちのお犬は信号が変わったら容赦なく連れ去られてしまうのです。 「横断歩道まで追いかけたら変質者!」  なので、信号待ちのわずかな時間が、とんだ犬好きさんに与えられた極限です。  それ以上引き止めては先を急ぎたい飼い主さんに「うわっ、こいつヤバイ奴だわ。逃げるか近くの交番に駆け込みだ」と思われてしまう。  私は、とんだ犬好きであって、イヌコン(おイヌコンプレックス)の変質者ではないのだ。  はちわれ秋田犬をロックオンして信号との闘いに挑む。  我を忘れて猛ダッシュしたとしても誰が責められようか。 「かわいいですね秋田犬ですね」  時間との戦いなので早口になる犬好きさん。  しかし、早口すぎて飼い主さんの耳に届かず。 「え?」 「秋田犬ですよね」 「え?」 「秋田犬ーーーっ! ですよね」  時間がないというのに、この飼い主は、なんで何度も聞き返す。 「あぁ、秋田犬です」     
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