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〈それは、ワタシのことですか?〉
と立ち止まってしまうではないですか。
たしかな手応え、ヒットの予感。
「そうよ、あなたのことよ!」
絡み合う。お犬と、とんだ犬好きさんの目線。
次の瞬間には、やっと会えた恋人同士のように、どちらからともなく駆け寄ってしまうのです。
まさに相思相愛状態。
悶絶悶絶。
「すみません、撫でてもいいですかっ!」
「ほら、可愛いだって。よかったね」
飼い主のおじさんが優しい人でよかった瞬間。
〈お父さん、ぼく撫でられてもいいですか?〉
アイコンタクトを繰り広げるおじさんとお犬。あたたかなハートマークに包まれているかのよう。
飼い主さんからの「いいですよ」は餌を前にお預けをくらっているお犬が「よし」をもらうに等しい喜び。
「こんにちわ~」
とんだ犬好きさんはお犬を撫でるとき、必ずそう言うことにしている。
個人差がありますが、己の犬作法にのっとっている。
手の甲から匂いをかいでいただくのもお約束だ。
犬くんくん
「かわいい~」
仰け反っては撫でることができないので腹筋背筋総動員して前傾姿勢。
まずは左手で首筋なでなで。
お犬はおとなしくなでられている。
「うわ~、おとなしいね~」
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