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この神聖なる空間になんぴとたりとも足を踏み入れてはいけない。
ので、視界に入る距離でそっと見守る。
(クワックワッ、お仕事する盲導犬可愛すぎだろコレ!)
飼い主さんの行きたいほうへ、事故のないように導いていく。階段の前では一旦停止。飼い主さんが確認したら一緒に上がる。
(た、たまらん。萌え冥利に尽きる)
見守る。
というのもひとつの愛の形ではなかろうか。
訓練中のアイメイトにも遭遇したことがある。もちろん相手は仕事中なのだから視界に入る位置で見守る。
(グワッ、匂い確認とか信号渡るのもたどたどしいのも可愛いだろ~! ルーキーぽいぞ!)
心のなかで頑張れとエールを送る。
用もないのに駅の改札まで見送ってしまったこともあるが、決して不審者ではない。
無事に改札を抜けてホームへと歩んでいけるかを確認せずにはいられなかった、そんなとんだ犬好きさんであって。犬ストーカーでは決してない。
それが証拠になるかはわからないが、こう思っている。
(私にもしものことがあったら、アイメイト協会に三分の一寄付してほしい)
オカンと姉と犬。
見事な三等分である。
「あの、おこまりですか?」
第三者の声が聞こえてきて我に返った。
「なにかお手伝いしましょうか?」
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