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夜の散歩
1
ランタンの光に照らされたその姿に、トゥッツィリアは息を呑んでいた。
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この時間は教会の誰も彼もが、各自にあてがわれた部屋で祈りを捧げているはずだった。
誰かと行き合うわけがなく、だからこそ、トゥッツィリアはひとり教会内を散歩するために、間借りしている一階の部屋を出たのだった。
ほかにひとの姿があるとは思いもしなかった。
回廊の照明はとぼしく、足元も覚束ない。
トゥッツィリアが暗がりで息を殺すなか、修道士たちは厳かな祈りのさなかにある。深い暗さも手伝って、回廊は不気味さは格別である――抜き足で進むトゥッツィリアは緊張していたが、わくわくもしていた。
屋外に出て、トゥッツィリアは澄んだ空気を胸いっぱいに吸いこんだ。
いつもなら室内に閉じこもっている時間である。
それなのに、おもてにいる。
その解放感から、トゥッツィリアの足取りは軽くなり、足は整えられた庭園へと向いている。
昼の陽光の下では、丹念に手入れされた花々の揺れる美しい庭園である。闇に沈んだ庭園はどんな姿かと、トゥッツィリアはでこぼこの道を進んでいく。
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