2月14日

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「なんなんだよ!冗談でも死んだとか言ったらだめでしょ!てか、あなたは誰!」 泣きべそをかきながらも、ものすごい剣幕でおじさんに詰め寄る。必死に笑いをこらえるおじさんは何とか口を開いた。 「HAHA、は~面白かったデス。私は、ウェレンティヌス。またの名をバレンタインと申しマス。」 聖バレンタイン?え?バレンタイン?チョコの神様かなにかなのかな? 「え?チョコの神様なんですか?」 大きい目をさらにカッと開いて、開いた口がふさがらないおじさん。 「そんな…知らないのデスネ。まあ、国も違えば時代も違うので知らなくても仕方ありませんネ」落胆したおじさんは言った。 「私は聖バレンタイン恋人たちの守護人デス。愛の守護者!」バレンタインさんは光に包まれ、周りにはキューピットが飛び始めた。ものすごい、これが守護聖人の力か… そもそもバレンタインとは諸説あるのですが古代ローマ時代にまで遡りマス、そのころ2月14日は愛の女神様を祭る祝日デシタ。その後、まあ私が出てきまして皇帝に逆らって結婚式とかを非合法に行っていたんですね。そしたら、処刑されちゃいましたケドHAHAHA そうして、皮肉にも愛の女神さまの祝日に処刑されてしまいまして…祀られることになった訳なのデス。そもそも兵士の士気が下がるから結婚しちゃダメとか意味わからないですヨネ。ひどくないデスカ、いくら遅れているからつて言ってもそういう自由は愛は止められないと思うんデスヨ。昔は、男女は別々に暮らしていて女神様の祝日に女性が自分の名前を書いたくじを男性が引いて、恋に落ちた二人は結婚をしていたのデス。これぞまさに運命、それぞれ自分で気に入る人を探す自由恋愛も素晴らしいと思いますが、きっかけはなんでもいいんですヨ。好きになったらそれでいいんデス。 かなり饒舌に、なおかつ先ほどの高笑いを加えつつウェレン…バレンタインさんは自分のこと、さらに愛について語った。古代ローマに生きてたの?処刑されたって?! 「え?てか、ここはやっぱり死んでしまった人が来るところなんじゃないの?」バレンタインさんの説明を聞いて心配になりまた聞いてしまった。
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