♯悪の親玉が放った迷言

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「はい、お待たせしました。  ……何かありましたか?  ええ、……まー君のパパは私ですが。  えっ!   まー君がお腹痛いって  言ってるんですか!?   何てかわいそうな……    わかりました。  私が今すぐ、幼稚園まで迎えに行きます。  ……え、妻ですか?   妻は会社員なので、  急に仕事を抜け出すはちょっと……  ……はい、……はい。  ですから自由に動ける私が、  息子を迎えに行きますので……  ……はい、……はい。  では、そのように。  ……ええ、わかりました。  お世話をおかけします。    すぐ向かいますので、  よろしくお願いいたします……」 戦場の中心で、携帯電話片手に 悪の親玉はペコペコ頭を下げながら話し、 用がすむと 静かに携帯電話の通話を切った。 そして側で戦っていた幹部に なんとか戦場を抜けられないか、 相談しようと顔を上げた瞬間。
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