第8章 だから子供なんだ

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「そんなに、睨まないでくれ。」 がっくりと、肩を落とす課長。 「俺は、おまえの事を思ってだな。」 「嘘です。」 「嘘じゃねえよ。」 すると課長は、その優しい指先で、私の涙を拭いてくれた。 「おまえはこの先、いい相手に出会って、結婚して、出産して……そういう人生に、俺は不向きだって。」 「どうしてですか。課長だって、いい相手です。」 「いや、俺はもうオジサンだから。」 両手を前に出して、拒否のポーズ。 もう! 何で、分かってくれないの!? オジサンとか、歳の差とか、そんなの通り越して、課長が好きなのに。 私はまた、涙がボロボロ出て来た。 「ああ、また泣くのかよ。」 今度は、頭を抱える課長。 いいもん。 分かってくれない、課長が悪いんだから。 って、こういう考え方が、子供なのか。
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