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「そんなに、睨まないでくれ。」
がっくりと、肩を落とす課長。
「俺は、おまえの事を思ってだな。」
「嘘です。」
「嘘じゃねえよ。」
すると課長は、その優しい指先で、私の涙を拭いてくれた。
「おまえはこの先、いい相手に出会って、結婚して、出産して……そういう人生に、俺は不向きだって。」
「どうしてですか。課長だって、いい相手です。」
「いや、俺はもうオジサンだから。」
両手を前に出して、拒否のポーズ。
もう!
何で、分かってくれないの!?
オジサンとか、歳の差とか、そんなの通り越して、課長が好きなのに。
私はまた、涙がボロボロ出て来た。
「ああ、また泣くのかよ。」
今度は、頭を抱える課長。
いいもん。
分かってくれない、課長が悪いんだから。
って、こういう考え方が、子供なのか。
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