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「これより、さらに人を選ぶ」  とある一柱の神が告げる。  神達は、三十人はいようと言うざわめく子供の中から三人を選び取った。  カグヒメもその一人として選び出される。 「他の者に用はない。元の場所へと返してこい」  先程から場を仕切っているらしい神が、冷たく言い放った。 「お前達は、我等と共に来るのだ」  身を翻して、神は森の中を進んでいく。 「ほら。早くしないか」  別の神からも後ろから命じられ、カグヒメ達三人は渋々と歩き出した。  ――あんなにいた中から、更に三人だなんて……。こいつらの判断基準はいったいなんなんだ……?  前後の神々をちらりと盗み見ながら、足を進める。重苦しい沈黙の中、辿り着いた先は無数の巨石が転がっている場所だった。  ――こんな場所に何が……。  カグヒメは不思議に思ったが、よくよく見れば石には注連縄が張られている。何かを取り囲むように、一巡していた。  ――何か……いるのか?  しかし、注連縄で取り囲まれた先には何も見えない。どんなに目を凝らしても、ただ巨石に注連縄が張り巡らされているだけである。  とは言え、カグヒメは先程から何かに見られているような感覚が拭えなかった。     
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