源三郎江戸日記(弟三部)

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てくれますと言うので、そうか、いつも世話して貰っているのでなと言って、馬小屋を出て玄関に行くとお峰も帰ってきています、部屋に行くと、あい済みませぬとお峰が言うので、 そなたの思いにわしが気づかなかっただけじあ許せよと言うと、 ありがとう御座ります、そういうて頂くと気が晴れました、玉姫様とは仲ようしますので、ご懸念にはおよびませぬといったのです、湯にはいってさっぱりすると夕餉の支度が出来て、 いると言うので、部屋に行き座るとみんながおめでとう御座りますと言うので、母上もご存知だったのですねと聞くと、ハイ、主家のお言いつけには逆らえませぬというので、知らぬ、 は仏だけと言う事ですかと笑ったのです、 夕餉が終わり二ヶ月はかかるので皆体には気をつけるのじあと言うと、巡察のご武運をお祈りしますと言ったのです、三蔵が来ているというので通すように言うと、部屋に入って来て、 あの藩士は会津藩の上屋敷に入ったそうです、色々聞いてみましたら、会津公の正室にはお子はなく、二人の側室にそれぞれ男の子がおありとかで、二人とも元服しており、国家老と、 江戸家老がそれぞれ跡目をめぐって対立しているそうですと言うので、 そうか、それでわしが行って何かをするのではないかと思っているのじあな、年は同じくらいだそうです、側室はいずれも町屋の者だそうで、この家老二人の養女として奥に上がって、     
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