瀬戸内君との、始まり

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瀬戸内君との、始まり

 瀬戸内君は、このクラス一の、いや、学年一のイケメンだ。  だけど、みんな、彼のことを「顔はいいけど残念な人」と呼ぶ。  でも、私は思う。  瀬戸内君は残念じゃなくて、とても可愛い人だって。 「ねぇ、うちのクラス転入生が来るんだって!」 「ええ。どんな人だろ。イケメンだといいなあー。うちのクラス、男子レベル低いしー。……誰とは言わないけど特に苗字に竹がついて山がつく奴とか、ひどいよね」 「いや、そこは美少女だろ。うちのクラスの女子、高梨以外パッとしねーもんなあ。高梨も美人だけど、かわいらしい感じじゃないしよお。苗字ほで始まって、名前が凛子の奴とか、もはや女じゃねーよな」 「なんですって!」 「最初に言ったのお前だろっ!」  最初に瀬戸内君が転校して来た日のことを良く覚えてる。  教室の中にいきなり一つだけ増えた机を囲みながら、みんなでまだ見ぬ転校生がどんな人かはしゃぎながら想像してた。  先生と一緒に現れた瀬戸内君は、期待以上のイケメンで、女の子みんなで歓声をあげたっけ。
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