瀬戸内君との、始まり

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 基本的に全てがハイスペックなのに、なぜか人の注目が……それも、女子の注目が集まっている時は必ず大ドジをしでかす瀬戸内君に、瀬戸内君にのぼせ上がっていた女子たちの恋心は一気に醒めた。 「あのドジさえなければ、瀬戸内は完璧な男なのに」とみんな揃って溜息をついている。  ……だけど、私は逆にそんな瀬戸内君だからこそ、気になって仕方なかったりする。  失敗した時に真っ赤に狼狽えた顔とか、ちょっと涙で潤んだ目とか、慌てて取り繕うとするとことか、その癖注目が集まると格好付けるとことか、可愛くて仕方ない。  つい近寄って、よしよしと頭を撫でて慰めてあげたくなる。 「……舞子。あんた変な趣味しているわね」  友達はみんな呆れた顔をするのだけど、私ってそんなに趣味が悪いのかな?  でも、誰が何と言おうと、可愛いものは可愛いのだから、仕方ないよね。
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