『チョコかと思ったら……』

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「ヒントが既に問題文なんだけど……」突っ込みというよりも、途方に暮れる様なぼくの一言だった。 「ヒントへのクレームはもう受け付けません!」そう話す夜琥の表情は楽しさのほかに、清々しさに溢れており――これが俗にいうドヤ顔というやつなのだと、ぼくは悟った。  ぼくもこの推理の勝負を受けると同意した以上は、真剣に取り組みたかった為――二つ目のヒントを訊いたぼくは夜琥に少し時間を貰って本腰を入れて考え始めた。  今、分かっているヒントは『今日の会話の中』と『ラッピングの紐の線の色』が関わっているということだ。この二つだと、前者のヒントから当たるのは難しそうだと判断して、まずは後者のヒントから――ぼくは手掛かりを探ってみることにした。  まずは問題形式のヒントを解くところからだ。  二月十四日に抱くイメージはやはりあのお菓子であり、そしてその色はと云えば当然黒か茶色になるだろう。しかし、問われているのはお菓子そのものではなくてラッピング――包装側の方だ。お菓子そのものよりも、そのイベントに対しての漠然としたイメージカラーを問われているのである。  ――と、なると……ぼくが抱くそのイメージカラーは……  やはり『赤』という結論に至る。この結論を、ヒントの問題文通りに照らし合わせると――     
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