『チョコかと思ったら……』

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「つまり……突発的なものなんだ――推理の問題そのものと、それぞれのヒントは……」  例えば、初めから今日ぼくに推理をさせるつもりだったのであれば――ヒントは全て最初から夜琥に仕組まれていたもののはずだ。そして、全て意図して仕組まれていたのだとしたら――それぞれに、『初めから意図して結ばれた関係性』がないと可笑しい道理になる。  しかし、今回のヒントにはそれがない。表面的に浮かぶはずの意図した関係性が見つからないのだ。  それは、この推理の問題自体が突発的――もしくは偶然によって出来たものであることを意味していた。  ――なら、どうして急に……  ぼくは必死にここまでの流れを思い出し――そして推理の大詰めを迎えることになる。  ――この推理は夜琥が急に言い出したもの……  ――それはいつから?  夜琥が退席――云ってしまえばトイレから戻ってきた時からだ。  ――その前までの会話や流れは……たしか……  少しシリアスに『大人』についての話を。その後いつものように他愛ない会話――その中で夜琥が最近甘いものを控えているという食の好みの変化の話をしたから、ぼくは記念日の予定について話をしようとしていた。  ――記念日に関しての決まり事は?     
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