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二人に関わることは二人で話し合い、お互いへのプレゼントはそれぞれが考えて用意する。
――なんで夜琥はプレゼントの話を推理に?
プレゼントの話を推理に持ち出し、そしてそのヒントとして『プレゼントを用意しなくても良い』と云ったのは――まるで今年の夜琥のプレゼントは二人に関わる話であると云っている様にも思えた。
――ほかに気掛かりなのは……
二つ目のヒントの『赤色の線』。これも偶然考えられたヒントである可能性が高い。
――なら、その『赤色の線』を二つ目のヒントに持ってきたのは?
二つ目のヒントが、一つ目と三つ目のヒントを結ぶものだったとしたら――
――あれ……
「……これって……」
そこまで推理したぼくの口から自然と一言零れて――思考がほんの僅かに停止した後に、目紛しい程の情報が一つの結論へと収束していった。
――『大人になる』 ――『守るもの』 ――『普段とは別の温かさ』 ――『食の変化』 ――『トイレから戻って……』 ――『赤色の線』 ――『二人に関わる……』 ――『プレゼント』
――まさか……
「――本当に……?」
そう云ったぼくの言葉が僅かに震えているのを、自分でも感じ取れていた。
「うん。本当だよ」
夜琥はとても温かな表情で云った。
「本当に……本当なのか……?」
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