第1章
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駒井は玲央たちに背を向け、板書していく。クラスメイト達の視線が黒板に戻ると、玲央は梓に板チョコスマホを渡す。その瞬間、梓は玲央の耳元に顔を近づける。玲央の鼻孔にチョコの甘い匂いとは違い、フレッシュな香りが届く。 「……口だから」 よく聞き取れなかった部分を聞き返す前に、梓は板チョコスマホを受け取るとさっと離れていく。 玲央はまだ、この板チョコスマホ事件が序の口であることを知る由はなかった。
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