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「ほら。これを君に」
少女は、タイマーの止まった箱を少年に渡す。受け取って見ると、タイマーを表示していた部分が外れており、そこには4つのカラフルなモノが入っていた。
「なにこれ?」
「なんだ、君はマカロンも知らないのか?」
「いや、それは分かるけど…」
「今日はバレンタインデーだしな。私からの手作りだ」
「なんでマカロン?定番はチョコだろう?」
「バレンタインにはチョコだと決まってはないだろう?」
「まぁ、確かに…ありがと。おいしく食べる…って、こんなことせずに普通に渡してくれよ!?」
「こうした方が面白いだろ?さ、帰ろうか」
「うぅむ…。釈然としねぇ…」
唸りながらも、少年は立ち上がり、扉へと向かう。
「ま、君にバレンタインのお菓子の意味を分かれというのも無理な話か…」
「ん~?なんか言ったか?」
「いや、なんでもないよ」
少女は少年の隣へと並ぶ。少年の脇には、マカロンが入った箱が先程よりも大事そうに抱えられていた。
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