チョコ?爆弾?

8/8
前へ
/8ページ
次へ
「ほら。これを君に」  少女は、タイマーの止まった箱を少年に渡す。受け取って見ると、タイマーを表示していた部分が外れており、そこには4つのカラフルなモノが入っていた。 「なにこれ?」 「なんだ、君はマカロンも知らないのか?」 「いや、それは分かるけど…」 「今日はバレンタインデーだしな。私からの手作りだ」 「なんでマカロン?定番はチョコだろう?」 「バレンタインにはチョコだと決まってはないだろう?」 「まぁ、確かに…ありがと。おいしく食べる…って、こんなことせずに普通に渡してくれよ!?」 「こうした方が面白いだろ?さ、帰ろうか」 「うぅむ…。釈然としねぇ…」  唸りながらも、少年は立ち上がり、扉へと向かう。 「ま、君にバレンタインのお菓子の意味を分かれというのも無理な話か…」 「ん~?なんか言ったか?」 「いや、なんでもないよ」  少女は少年の隣へと並ぶ。少年の脇には、マカロンが入った箱が先程よりも大事そうに抱えられていた。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加