宮島清

1/1
前へ
/11ページ
次へ

宮島清

「清。お願い出て」 電話を掛けると、すぐに繋がり男の声がした。 「あ!清!? 私、若葉!」 「若葉? どうした? てか、番号変わったなら言えよ」 「今はそれどころじゃないの。 私ね、誘拐されたの。 お願い助けて!」 「誘拐? 本当かよ?冗談だろ?」 「本当なんだって! エンドとかいう奴に拉致されて、今は知らない部屋にいるの。 ねぇ、お願い。信じて」 「わ、分かった。 で?俺はどうすればいい?」 「そんなの分かんないよ。 とにかく清しか頼れる人がいないの。 お願い、、、」 「若葉、、、。 分かった、俺に任せとけ! 絶対にお前を助け出してやるから!」 「清、ありがとう。 、、、大好き」 「俺も若葉のこと、、、」 ピー、ザザザ 「清?ねぇ清?」 ノイズが入り、男の声はかき消された。 『あなたのような人にも、人を愛する心があるのですね。 だが、何故それを他の人にも分け与えることが出来ない。 あなたは悲しい人だ。 その悲しみに終止符を、、、』 「何?何が言いたいの?」 すると突然、四方の壁から大量の水が流れ込んできた。 「いや、死にたくない。 助けて清!!」 水は女を飲み込み、すぐに部屋を満たした。 女の流した涙は、水の中にゆらゆらと流れ、そして、女の最後を飾った。 ※死亡。死因:水死。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加