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白色
「いいわよ、上等じゃない!」
女は勢いよく、白色の扉を開けた。
すると、そこにはまた同じような真っ白な部屋が。
違うとすれば、部屋には入ってきた扉以外、他に扉がないこと。
「ほ、ほら何ともないじゃない。
やっぱり冗談だったんでしょ」
女はそのまま部屋に入ると、同じように開けた扉は閉まり開かなくなった。
「で?次は何?
これで終わり?
早くここから出して!」
エンドから返事はない。
「ちょっと、何とか言いなさいよ!」
それでも返事はない。
それから一時間経ち、十二時間経った。
部屋に連れてこられたときに、手荷物は全て没収されてしまったようで、唯一外と連絡する手段である携帯もなかった。
唯一の持ち物は腕時計だけ。
女はただ、ひたすら待った。
初めは部屋を色々と調べたが、出られそうな場所はなく、指示を待つしかなかった。
しかし、さすがに一日経つとそうも言ってられなかった。
「誰か!!
助けて!!」
「お金が欲しいならあるだけ払ってあげるわよ!!」
「ねぇ、私はどうすればいいの?」
「お願い、、、。
助けて」
「、、、助けてください。
、、、お願いします」
二日、三日と経ち、女の気は狂う。
「ふふふ。
あははは」
それから十日経ち、女はとうとう倒れた。
「、、、、」
声にならない声が、女の最後だった。
※死亡。死因:餓死。
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