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上
「エンド。
絶対に許さない!
ここを絶対に出て、警察に捕まえてもらうんだから」
女は決意を口にし、「下」と書かれた扉の前に立つ。
扉を開けると、真っ白な部屋があり、奥には扉が一つだけ見えた。
「やったわ、あれがきっと出口ね!」
部屋に入り扉に駆け寄ると、扉を思いきり開けようとする。
しかし、扉には鍵がかかっており開けることが出来ない。
「え?何よ!
開かないじゃない」
次の瞬間、天井がゴゴゴゴゴという音と共に下がってくる。
「いや、やだ!」
迫りくる天井はもうその場に立っていられないほどになり、しゃがみ込む。
「いやだ、いやだ、いやだ!
こんな所で死にたくない!」
もうこれ以上身をかがめることは無理だと、あきらめかけた時だった。
天井は急に動きを止め、今度は上に上がり始めた。
『第三関門突破、おめでとう。
どうです、これで少しは信じてもらえましたか?
DOAというゲームが嘘ではないということが』
涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔を手で拭うと、女はコクリと頷いた。
「分かったわ、信じるわよ。
もうあなたに反抗するつもりはない。
だからお願い、助けて。
もう、これ以上耐えられない。
どうすればこのゲームから解放してくれるの?」
『、、、、。
全く無様ですね、あなたという人間は。
解放?
もちろんこれはゲームです。
あなたが選択を間違えなければ、ここから生きて出られます。
正し、何度も言うように、選択を誤れば死ぬ。
ここでの解放を意味するのは二つ。
生きて出る解放か、死んでこの世から消える解放か。
まぁー、どちらにせよそれまでせいぜいもがき苦しむことです。
それだけのことをあなたはしてしまったのだから、、、』
「私のしたこと、、、?」
考えを巡らすが何も思い当たる節がなく、ただその場には沈黙が漂った。
『さぁ、どうぞ次の部屋に。
鍵は開けました。』
女はゆっくりと立ち上がると、扉の前に立った。
そして、扉を開き次の部屋に向かう。
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