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「しかし、それは噂ではない。隕石はこの谷の奥に隔離されている。隕石は非常な硬度を持っており、破壊は不可能だったのだ。だから、隔離する。しかし、隕石は強い想いに反応し、『連中』を吐き出す。だから、俺達は撃つのだ」
青年が手を挙げた。
「質問があります!」
「ああ、堅苦しい! いいから座れ! 座らんと、答えてやらんぞ!」
老人に怒鳴りつけられ、青年はようやく椅子に座った。ぎしりと軋むそれに、青年は体重のかけ方を変えた。
「これでいいでしょうか!」
「その口調もやめろ。普通の敬語で喋れ。上官の命令だ」
「はっ! ……で、では、その、質問があるのですが」
「なんだ?」
「自分は――僕は、その噂に毛が生えた程度、つまり、『隕石が人を復活させる』という程度しか知らずにここに来たのですが、隕石の力が本当なら、そもそも、殺処分というのは如何なものかと……。大体、隕石を手元に置いておいた方が、色々と便利なのではないのかな、と考えるのですが」
老人は天井を見上げる。
「その通りだ……。しかし――まずは隕石の性質からいくか。
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