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「日光に?」
「そうなんです。会社の出張で月曜日から。」
4月に入ってからの日本秘密調査課は、人手不足も相まって忙しさが増していた。
奥さんはパソコンのキーボードを押すのも豪快でカッチカッチと音を立てながら僕のことを見た。
「じゃあ、1つお願いしてもいい!?」
「はい、なんでしょう?」
「日光東照宮にいてる田中さんに京都会議の案内状を渡してもらえるかな。それと、毎年各地から都市伝説について調査報告を出してもらってるんやけど、日光東照宮から返信がまだでね・・・。」
「調査報告ですか?」
「そうやねん~。霊力が弱まってないかや、今年も継続してその都市伝説のことを世に出すのかとか毎年聞いててね。」
「えっ!都市伝説って、一般人が勝手にあれこれ考えて言ってるものだと思ってたんですけど・・・」
「そういう類いのもあるんだけど、都市伝説じゃない都市伝説もあってね。変に昔の文献とかに残ってるからいろんな人の目に入って噂になるんだけどね!」
「そ、そうなんですか」
「煙のないところに火は立たないっていうやん?」
前もどこかでこの台詞聞いたな~と思った。
 ̄ ̄ ̄ ̄
「そういえば田中さんってどんな方なんですか?日光東照宮に必ず居てるんですかね?」
「あっねぇねぇ、やすー!」
ポーカーフェイスの旦那さんが、ん?と振り向いた。
「日光の田中さんっていま何歳やったけ?」
「確か・・・1000歳は越えてたはず。」
「に、にせんさい!?」
僕は思わず大声を出してしまった。
「でも今は20歳前後の格好をされてるはずだよ。確か去年までは日光東照宮で観光ボランティアみたいなことしてるって話してた気がする。」
1000歳を越えてて、20歳前後の格好をしてる・・・?
脳みそをフル回転させても、想像力をフル回転させても、全くもって意味が分からなかった。
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