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「では、最終的な内容と見積りを後日メールにて送らせていただきます。」
「はい。結構でございます。この度は日光までご足労いただきありがとうございました。」
先方との取引はスムーズに終了した。
「それぞれお仕事もおありかと思い、一人一部屋お取りさせていただいておりますので、ごゆっくりおくつろぎ下さいませ。」
ホテルの労いで一人で一部屋使えることになり少し部屋で休憩した後、僕は自分の仕事とは別の仕事で日光東照宮に向かうことにした。
 ̄ ̄ ̄ ̄
平田さんから預かった書類を持ってホテルを出る。
日光東照宮に1番近い!というのがホテルの売りだけあって、本当に目の先に日光東照宮がある。
今日は念のため式神は連れてこなかった。
式神とは一緒に過ごすことが多くなり、段々と距離も縮まってきていると思うが、まだまだ読めない行動をするし、今日は残念だろうが家で留守番をしてきてもらった。
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帰ったら拗ねてるだろうな~なんて考えてるうちに陽明門辺りまでやってきていた。
「ボランティアの田中さんは・・・」
「あ!先輩ー!東照宮きてたんですか?」
二人とも部屋でゆっくりしとくって言っていたから出てきたのに、まさか後輩とかち合うとは思わなかった。
「部屋でゆっくりしとくって言ってなかった?」
「なんか気が変わって来てみました!東照宮は遠足とかで来たことあるんですけどねー。あ!奥の院行ってみましょうよ!」
「うーん、俺はやめとくわ。」
「マヂですかー。じゃあ一人でいってきますね。」
ビクッと背後にものすごい霊力を感じた。
振り返ると背の高い男の人を囲むように、年配のおばさんたちの集団ができていた。
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