一通の封筒

3/9
18人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
とりあえずその封筒を持って足早に部屋に戻った。 「はぁ、はぁ・・・」 少し走ったので息が上がっていた。 今、僕は得体の知れない感情に支配されていた。 手紙の送り主がどこの誰か分からない恐怖と、全く何か分からないからこその高揚感。 その得体の知れない手紙に、僕の心臓の鼓動はずっと鳴り止まなかった。  ̄ ̄ ̄ 何故だか封筒を開けるのを戸惑ってしまった。 封筒は机の上に置きとりあえず頭を冷やす為、先にシャワーを浴びることにした。 シャワーを浴びてる最中も気が気ではなかった。 まるでハリー・ポッターに送られてきたホグワーツ学校入学の知らせの手紙のようじゃないか。 そんなバカなことを考えていた。 シャワーを浴び終え、恐る恐るリビングへ戻る。 カーペットに座り丸机に置いた封筒と対峙する。 冷蔵庫から持ってきたお風呂上がりの水が一段と冷たく感じた。 「「・・・開けてみるか」」
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!