一通の封筒

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手紙のことはもうすっかり忘れ、僕はいつもの日常に戻っていた。  ̄ ̄ ̄ ̄ 「「パサッ」」  ̄ ̄ ̄ ̄ 「また落ちてる・・・」 仕事に行く前、夜帰ってから、休みの日、ふと気づいたら封筒が床に落ちていてそれをまた棚に戻すことが多くなっていた。  ̄ ̄ ̄ ̄ あの手紙が届いてから1ヶ月ほど経った頃、また郵便受けに手紙が入っていた。 「・・・また日本なんちゃらからだ」 部屋に戻って封を開けると前と同じ内容だった。 まさかもう1回送られてくるとは。 封筒の落下のことは、あぁまた落ちてるなぐらいで、そんなに深く考えたことはなかったが、もう僕は急に全部が不気味に思えてきて咄嗟に自分のスマホを取っていた。 「そういえばメルアド載ってたよな・・・」 ちょうど会社で上司に理不尽なことで文句を言われ僕も少し疲れていてイライラしてたのもあり、その勢いもあいまってか手紙に載っていたアドレスにメールを送ってしまった。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 【夜分遅くにすみません。入社案内の手紙をいただいた石田です。お声をかけていただき大変恐縮ですが、入社のほうを辞退させて頂くことは可能でしょうか。大変申し訳ごさいません。何卒宜しくお願い致します。】  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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