一通の封筒

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午後からも時間までになんとか全てのクライアントを回りきり、疲れた面持ちで会社に戻ってきた。 「今日はほんと疲れたな。じゃあとりあえずまた明日なー。」 「はい!お疲れさまでした!」 会社を出た所で先輩と別れた。 外はもうすっかり真っ暗で、スマホを見ると午後7時を過ぎていた。  ̄ ̄ ̄ ̄ 「「そういえば、手帳どうしよ。」」 名刺に載っていた住所を見ると以外とここから近そうだった。 宅配便などで送っても良かったが、配達で2日3日かかるんだったら届けたほうが早いかと思ってしまった。 もう7時を過ぎてるから会社も閉まってるだろうし、そうなったら袋に入れてメモでも入れて、それこそ郵便受けにでも入れておこう。 僕は名刺に載っていた住所へ行ってみることにした。  ̄ ̄ ̄ ̄ 名刺に載っていた住所に到着した。 かなり年期の入った雑居ビルで壁の色も黒くなっていて、ここだけ昭和のまま時間が止まっているような雰囲気だ。 「ここの6階、最上階か。」 エレベーターはなく階段で6階へ向かう。 その階段もミシッ・・・ギシッ・・と上がる度に嫌な音を立てた。 他にテナントが入っているのか分からない程、ビルの中は静かで、時間も時間だからか電気もほとんど付いていない。 ましてや階段を照らす灯りもなくて、自分のスマホのライトだけを頼りに上がっていった。 「ここが日本秘密調査課?」 何も書かれていない味気ないドアがあり、人がいる気配はゼロだった。 どうやら6階にはこの部屋しかないみたいだ。 ここまで来たら僕も少し好奇心が出てきてしまい廊下を右左と少し歩いてみたり、キョロキョロと回りを見てしまっていた。 「でも電気も付いてないし・・・郵便受けに入れとくか。」 登ってきた階段を下りようとしたとき、  ̄ ̄ ̄ ̄ 「あー!石田さんやん!早速来てくれたん?ありがとー!!」 昼間にカフェで声をかけてきた女の人と出くわした。
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