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「どういう…事?お姉ちゃん。」
震える妹の声に、泣いているのかと妹の顔を見て、
ギクリとする。
「あ、あれ?…もしかして、怒ってる?」
「私に秘密で私の彼氏とお姉ちゃん、ずっと会って
たの!?
どういう事なのか最初から最後まで全部!説明
してっ!!」
…妹に怒鳴られた。
あれから数十分後。
事のあらましを全部説明した後。
怒りの治らない妹が行ったり来たりする姿を、
私と妹の彼氏(幽霊)は、正座をさせられながら
頭を垂れている。
妹からの反省せよとの命令だ。
「…話は分かったよ。でも私には話して欲しかっ
た。」
妹はポツリと言った。
妹は彼からのプレゼントを手にして、彼氏の前に
しゃがんで目線を合わせる。
「…こんなになってまで、私に渡そうとして…
くれたんだよね。」
プレゼントの箱を大切そうに胸に抱きしめる。
「ありがと…ね!」
悲しそうに微笑む。
妹の彼氏の目は、期待に満ちた目をしていた。
まるで、一緒に来てくれ…と言いたそうな目で。
私は緊張し、ポケットに入れてある札を握りしめた。
しかし、それを察した妹の手で、私の腕は押しと
どめられる。
「多分、もうちょっと前だったら、一緒に
行こうと思ったかも。?…でも、ごめんね。」
妹は、彼氏にそう告げる。
「大好きなお姉ちゃんが心配だから。」
妹は私を見て言う。お姉ちゃん、泣いちゃう。
『…。』
妹の彼氏は、一瞬、悲しそうな顔をしたが、コクリ
…と頷いた。
そして、私を見て言った。
『…なんだ…かんだ…お姉さんとの…戦い…ちょっと
楽しかった…』
私は腕を組み、仁王立ちになって、「うむ。」と
頷く。
そして、妹の持っているプレゼントを指し示し、
『消費…期限…切れた。ごめん。』
と、そう言い残し、光に包まれ、天に向かって
消えていった…。
彼の成仏を見送り、私と妹は肩を抱き合い涙を
流して彼を弔った。
箱の中身は、行列必須の妹の大好きな
シュークリームだった。
それはそれは綺麗な緑色のふわふわを纏っていた。
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