1   ― Kayoko side ―

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「喜んで食べてもらえるかな?」 「付喪神に指導を受けながら作ったチョコだ。世界で唯一の代物だぞ、自信を持て」  確かにそうだ。  このチョコなら、数多くいるライバル達にも、きっと引けを取らない。  昨日まで、上手く作ることができるかと本当に不安だったが、思わぬ助け舟に救われた。 「あなたのおかげで助かったわ」 「良いってことよ」  ふと、先ほど九十九神に言われたことを思い出す。 「ねぇ、さっき『俺はいろいろ知ってる』って言ってたじゃない?」 「ああ」 「それならさ、絶対にお付き合いできるようになる恋愛の必勝法みたいなのってないの?」 「――教えてやろうか?」  九十九神が、もったいぶった口調で言ってきた。  思わず、少し前のめりになって頷く。 「あとは、お前がそれだけ真剣な気持ちで想っていたら、通じるよ。心配するな」  拍子抜けする。同時に、なんだが可笑しくなって笑ってしまう。 「なによ、それ」
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