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「うわっ、偶然!明日風間さんに自慢してやろ。絶対羨ましがる──」
ニカッと笑った兵藤さんの顔を見ながら、気づけば私はたらたらと泣いてしまっていた。
創さんが私に会っただけで羨ましがるなんて、そんな夢みたいなことあるわけないじゃない……。
視界がぼやけてしまってるけど、兵藤さんが慌てているのは分かる。
「篠崎さん? えっ、ちょっ……とりあえず外出ようか」
兵藤さんに促され外へ出たものの、コンビニのそばは明るく人目にも着くので近くの小さな公園のベンチにやって来た。
月がないからか、暗く人気もなくひっそりとしてるので今はいい隠れ場所だけど、私一人だったら夜には来ないと思う。
「どうした? 今日、風間さんと出かけたんだよね? 喧嘩でもした?」
「喧嘩……なんて」
「まあそうか、風間さんベタ惚れだし……。てか俺が泣かせたなんて知ったら」
兵藤さんの言葉に、私の中でなにかが弾けた。
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