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目にいっぱい溜まった涙が零れないようにどうにか耐えながら、勇気を振り絞る。
「1年経ってもし、創さんの気持ちが変わってなかったら……ここに、来てもいいですか?」
創さんと想いが通じ合ってから、考えていた。私は私の決めた道を曲げたくはないけど、進む未来には創さんにいて欲しい。そばにいたい。
それにはやっぱり、先も見えない中ずっと離れてるなんて、どうしても嫌。
「……いいよ」
「えっと、遊びに来るとかじゃないですよ。その……。仕事はちゃんと探しますし、家事だって……」
彼のあっさりした返事に戸惑い私が言い淀んでいると、創さんは右ポケットから何かを取り出し私の右手に握らせた。
握った瞬間の感覚で、それが何か分かってしまい、いよいよ私の涙は溢れ出す。
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