エピローグ

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とは言っても、お父さんは月に1度は群馬へ来てくれた創さんとは何度も会っていて、お母さんの話だと、口にはしないけれど彼を気に入っているらしい。 創さんは、笑顔が素敵でスマートな男性……をするのが得意。会話のやり取りも巧みなので、少し頑固なお父さんとも上手に付き合ってくれている。 彼にそれを言うと、「俺だって余裕なわけじゃないよ」なんて、笑っていたけど。彼女のお父さんとの付き合いなんて面倒だろうに、いつも手土産を持ってきてくれるし、私の大切な両親も大切にしてくれる、それがとても嬉しい。 「荷物はまとまったのか?」 「うん、ほとんどもう送ってあるから」 「そうか」 なんだか私まで寂しくなってきて、「おうどんにするね」とキッチンに向かいながら、今ではすっかり元通りの髪をひとつにまとめた。
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