第三章

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「学校生活保護委員会って知ってる?」  なんて、何を聞いてるんだろう。そもそも復習者がなんでそんな中二病くさいことを名乗っているんだろう。あのメールもわざとらしいというかなんか。 「あぁ、知ってるよ」 「え、知ってるの?」 「うん。って言っても噂だけ。なんかちょっと前にいじめられてた人が頼んだらいじめっ子が行方不明になったとかってツイッターで噂になって。梨花はあんまり見ないからねぇ。ま、都市伝説みたいなものでしょ」  美織はスマホの画面を見せてきた。そこにはシンプルな白の画面に『学校生活保護委員会』と濃緑の字で書かれており、下のほうに願いを書くスペースがあった。ラジオ番組のメールフォームみたいなシンプルなサイト。 「叶うかわかんないけどとりあえずうっ憤を晴らすために書き込んだり、ダメもとでお願いする人多いみたいだよ」  正直、そういう類の話は信じないタイプだ。でも、津村さんにはメールが来てた。もし、そんな組織の存在が本当なら、依頼人がいる。例え、彼らじゃないとしてもその名前を使って津村さんに復習しようとした人がいる。それは、笹木さんか彼女に近しい人にしかできない。  まさか、笹木さんが。信じられない。いつも朗らかに笑っていた彼女が復讐だなんて。とてもできるような人には思えなかった。
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