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「そりゃ大変なこともたくさんあるけどさ、自分のことを自分で決められるのは、楽しいよね」
「ふーん」
「その代わり、失敗した時には、全部自分の責任になってしまうけど」
「失敗しない様に、生きていくことはできないの?」
「それは無理だな。人間は、失敗する生き物なんだし」
「・・・」
「それに失敗しないと、人間は、成長ができない」
俺はその言葉を、自分に言い聞かせるように言った。その時だ、さっきまで騒々しかった、雨が地面を叩きつける音が、一気に静かになった。やがて、雨は完全に上がった。女の子の言ったとおりだ。
「ありがとう」
家路を急ぐ女の子はそう言い残し、パチャパチャと水たまりの水を弾きながら走り始めた。すると一瞬立ち止まり、俺の方を振り返って、
「大丈夫だよ、すぐに新しい人が見つかるから」
あの子、俺が今日、彼女と別れたことを知っている・・・。
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