解けないのなら溶けてしまいたい

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そこから今日のような関係になるまで、特に時間はかからなかった。 私達が会うのは、どちらか又は双方が、上手くいかない時。 原因は、私。 先に手を出してしまったのは、私。 だから、現状に不満を付けることなんてできない。 だって、始めたのは私だから。 「菜花。」 彼は私に、触れる程度のキスをする。 足を持ち上げられて。 ゴムをつけた、彼のをあてがわれる。 指で慣らさないのも、彼の性癖。 生憎私も、彼が初めての相手じゃないから、血が出ちゃうとか可愛い反応はできない。 「っつ.....。」 「力抜いて....。」 そう言って彼は、私の唇にキスをする。 ぬるっと舌が入って来る感覚に、私の身体は自然と反る。 その一瞬の隙で、彼はぐっと自身を奥まで押し込んだ。 「っ、いたい..? 」 腰を前後に少しずつ動かしながら聴いてくる彼。 痛いだけだったはずのそこは、彼の動きに合わせて、じんわりと快感を覚えていく。 「いたく、ないっ、けど....っ」 「なら、よかった..っ..。」 彼の綺麗な顔は、紅く艶っぽく変化する。 荒い息を纏ったその顔が、世界で1番綺麗。 ずんっ、ずんっ、と、ナカを突かれて。幸か不幸か、すっかり好きな所を知られてしまってるから。 頭が真っ白になる。 心地いい白。 「んっ、やっ、」 「嫌じゃ、ない、だろ..っ..」 「うんっ....」 嫌じゃない。のが、嫌。本当は。 「まって、はげしく、ないっ、..? 」 「ん、しかたない、だろ、....っう、」 「んんんんっ! 」 ずぶっと、一際大きな感覚がして。 奥にあたって。 ぞくぞくと、快感がおしよせる。 甘い。
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