その返礼は誰が為に

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バレンタインデーの翌日だった。 一人の生徒が死んだ。 自殺だった。 なんで、と周りの子達は言った。 その答えを、クラスメイトの一人である僕が知るはずもなかった。 一度だけ、刑事らしき人が話を聞きにきた。 最後に彼と会って言葉を交わしたのは、何の因果か僕だったようだ。 何か、変わった様子なかったかな。 そう聞かれても困った。 バレンタインデーなんて一部の男子生徒はネタのように不幸ぶったりするけれど、彼はそれとは無縁だった。 彼は背も高かったし、成績も良かったし、男女分け隔てなく友人が多かったので、それはそれはもてた。 現に、僕が教室で会った時だって、机の上を箱で賑わしていたのだ。 (――どうした?)
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